ドラマ「特捜9」にみるDV・パワハラ・虐待の心理

モラハラ・DV

本記事の内容

  • ドラマのストーリー
  • セリフや登場人物の行動にみるDV、パワハラ、幼児虐待
  • ドラマの中に出てくるキーワードから考えるDV、パワハラ、虐待の解決法

昨日放送された「特捜9 Season3」毎週水曜日9時から朝日放送系列
この時間帯はこの「特捜9」と「相棒」ですね~
両方ともチャーミングなキャラクターのキャストたち、謎解き、そして人間心理など色々と楽しませて頂いています。
昨夜の内容は今、まさに、社会問題となっているパワハラ、DV、幼児虐待がテーマでしたね私個人的には、ドラマなどでこのようなテーマをどんどん扱っていただき、今、起きていることを広く知っていただきたいと思っています。
しかし、今、その被害にあっている人にとっては、見るのがツライ所もあったと思います
今回はこのドラマにそって、DV、パワハラ、虐待のお話をしていきます。

ドラマのストーリー 特捜9 第3話「殺しのオムライス」

フレンチレストランのオーナー・栗原が店内で撲殺されているのが見つかる。
特捜班メンバーが臨場すると、凶器は見つかっておらず、レジから売上金が盗まれていた。
第一発見者となった従業員の青山は、栗原の横暴な仕事ぶりに反感を持っていたと告白しつつ、犯行推定時刻、ヘッドスパに行っていたと告げる。
現場でどこか風景の写っている写真の切れ端を見つけ、不審に思った浅輪(井ノ原快彦)は解析を依頼。その後青山のアリバイを確かめるため、ヘッドスパの店を訪ねる。
ヘッドスパリストの江藤は青山の話した通りの時間、施術をしていたと証言。青山は施術料が高額にも関わらず、江藤の店に足しげく通っていたようで、
江藤は顧客たちが頭のマッサージを受けるだけでなく、さまざまな悩みを打ち明けているのだと話す。数日後、浅輪が栗原の店で見つけた風景写真の切れ端に写っていた場所を訪ねていると、近くの一軒家から悲鳴が聞こえてくる。会社役員をしている篠田が頭から血を流し、死んでいるのを外出先から帰宅した妻の絵美子が発見したのだ。
ふたつの事件は同一犯によるものなのか? 特捜班が捜査を進めると、青山、江藤、絵美子の3人の、幼い頃の壮絶な虐待体験が明らかになり…。

結末が知りたい方は、このページの一番最後に載せています。見逃した方、もう一度見たい方はこちらで無料で見れます。(配信期間:2020年4月29日 20:00まで)

https://cu.tv-asahi.co.jp/watch/3521?official=1

セリフや登場人物の言動・行動にみるDV、パワハラ、幼児虐待

監察医 早瀬川(原沙知絵)のDVサバイバーについて刑事たちへ説明する時のセリフ。
「DVサバイバーの特徴は
・罪悪感を覚えやすい
・他人の欲望を満たそうとする
・自己評価が低い」


「どんなに酷いことをされても、原因は自分にある、と思い込む
幼い頃、そう思い込まされて育ってる」

「大人になると、他人を信じやすいか、にくいか、人それぞれ、難しいが、
そういう人(DVサバイバー)は、とってももろい
心の中に悲しみ、怒り、そして愛を求めてるから、誰よりも信じられる人を探してる」

父親から虐待を受けていたヘッドスパリストの江藤が殺された3人について
怒り、憎しみを込めて浅輪刑事に言うセリフ
「自分の才能のなさから目をそらすため使用人を殴る料理人」(青山の店のパワハラオーナー)
「妻を暴力で支配することで偉くなった気になっているバカ夫」(絵美子のDV夫)
「誰も救えないのに救えた気になっているおめでたい警察」(江藤の虐待父を諌めた警察官。それによって更に虐待が悪化)
「みんな獲物を狙ってる、あの暗渠(あんきょ)地帯
あの人たちの大好物知ってます?
人の痛み、なんですよ


そして江藤がこうも言っています
「私たち(DVサバイバー)は知っている“誰も救ってくれない”ということを」

夫からDVを受けていた恵美子は、捜査に来た刑事に気づかずに一心不乱にイラスト(女の子の顔)を書くシーン
そしてそんな恵美子に刑事の矢沢(田口浩正)は「僕、子供の頃いじめられてて。親にも誰にも相談できなかった。で、、、」
と手帳にキャラクターを書いて恵美子にみせ「この子が生まれたんですよ」『やすし』(キツネの顔)」
「やすしくーん元気だった?あぁ元気だったよ、久しぶり。(やすしくんのイラストを恵美子に向けながら)この奥さん元気がないな、ちょっと話を聞いてもいいかな」
と恵美子にやさしく問いただすシーン

⇒大人の場合は状況や悩みを言葉で説明することができますが、その術をもたない子どもは、絵や遊びで心の中を表現します。

ドラマのラスト、事件解決した浅輪刑事(井ノ原快彦)は妻の倫子(中越典子)と、ある歩道を歩きながらこう言います
「昔は川だったんだ、気づかないだけ
そこらじゅうに暗渠(あんきょ)はあるんだよ

このドラマのキーワード「暗渠」とは

覆いをしたり地下に設けたりして、外から見えないようになっている水路

 Weblio辞書

ドラマの中でもこう説明されています。
東京にも多くの川があったが、高度経済成長で汚染が進んだ。その川を埋め立ててその上の土地の開発を進めたという歴史があった。
都合が悪いもののように地下に埋められた川が暗渠(あんきょ)と呼ばれている。

このドラマの中で子供の頃父親から虐待を受けていたヘッドスパリストの江藤が言っていた「暗渠」
浅輪刑事が青山のアリバイを確認しに来た時にこう言っています
「警察は人を疑うのが商売」
「心の中にドロドロしたものがあるが、人に見られたくないから蓋をする」
「まるで暗渠(あんきょ)のように」

ドラマの中に出てくるセリフやキーワードから考える  DV、パワハラ、虐待の解決法

これは今回のドラマの中でのみ考えられる私が思う解決法です
(DV、パワハラ、虐待はとても難しい問題です。他にも解決法はあります)

監察医が言った、DVサバイバーの特徴の逆をやってみる
罪悪感を覚えやすい⇔自分を責めない
他人の欲望を満たそうとする⇔顔色を伺わない、尽くしすぎない、先回りしない
自己評価が低い⇔どんな小さなことでも出来た自分を褒める


「心の中にドロドロしたものがあるが、人に見られたくないから蓋をする」
DVサバイバーは過去に受けた心や体の傷に触れるのが怖くて、人にその事実を知られるのが怖くて、蓋をしている人が多い。
でも蓋をしていてもその過去が消えるわけではない、見ないようにしているだけ。
だからその傷は心の奥にずっと残ってる、もしかしたら心の奥で形を変えて
もっと大変なことになっているかもしれない。
自分が知らないうちに。

「私たち(DVサバイバー)は知っている “誰も救ってくれない”ということを」
DVサバイバーには酷なことを言うかも知れないけど、
『誰も救ってくれない』
自分を救えるのは、自分を幸せに出来るのは、自分しかいない。
でもその為に手伝ってくれる人たちはいる。
DVシェルター、カウンセラー、メンター等。
まずは、自分で自分の暗渠に気づくこと(気付くだけでも癒される部分はあります)
蓋を開けること。
まずはそこから始めてみませんか。

「あなたの人生を代わりに生きることは、誰にもできないんですよ」

ここで、「ココロの居場所」サイト管理人の私自身の話ですが、
モラハラ父、カサンドラ母という両親のもとで生まれ育ち、
だけど、だから、モラハラ夫に捕まってしまい、長い間苦しんだ
(別の機会でお話しますね)
でも、自分で蓋を開け、今は幸せな生活をしている私が
DVサバイバーの皆さんに寄り添います。

このドラマの結末

子供の頃父親から虐待を受けていたヘッドスパリストの江藤は、子供の頃、今は暗渠になっている川に、虐待から逃れるため父をバールで殴って殺し沈めた過去を持っていた。
その江藤がオーナーにパワハラをされていた青山、DV夫を持つ絵美子にバールを使った交換殺人を持ちかけたのだった。

交換殺人を青山と絵美子が自供したと浅輪刑事が江藤に告げると
「二人が裏切るはずない、後悔なんかするはずない
私が地獄から、二人を救いあげたのよ」
と動揺する。
すると浅輪刑事は
「あなたはただ、同じ罪を背負った仲間が欲しかっただけだ
なぜならあなたはお父さんを殺して、なんにも救われてないから
今でも苦しいんじゃないですか?
だからあの二人を引きずり込んだ
あの暗渠の下、あなたの心はまだあそこにいる
傷ついたあの時のまま」
江藤は
「私は自分の力で生き残ったの
サバイバーよ、苦しくなんかない、傷ついてなんかいない」
と凶器のバールを握りしめ泣きながら虐待されてた子供の頃を回想し泣く。
浅輪刑事はそんな江藤の肩を抱き
「もう大丈夫だよ…」と。

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

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